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コミュニケーション・トレーナー&マイム・アーティスト
荒木シゲル

2012.02.23

運動の自由度と理解力

昨晩のサッカーオリンピック代表予選の試合、マレーシアを相手に快勝でしたね。

引き続きシリアがバーレーンに敗れたとこのことで、日本はオリンピック代表に王手!

次のバーレーン戦が楽しみです。

 

それにしても昨日の試合は、アウェーという状況のみならず審判の判断も日本に対して厳しかった印象があります。

反則も多くありましたし、選手は時に熱くなっていました。

試合直後に日本選手が相手に倒されたり、一触即発な雰囲気がありました。

そんな時、ハラハラドキドキとも違う、なんとも嫌な気分というか

勝ったんだから素直に喜ぼう!という気分には一瞬なれない感じがありました。

それもミラーニューロンの働きだと言えます。

反則されたり、理不尽な状況にいることを、自分自身が体験しているようにシミュレーションしている訳です。

その場に居たら感情を抑えるのが大変だと思いますが、そこで気持ちを切り替えるのも

いわゆる“変換能力”または心の“バランス能力”なんだといえます。

 

少し話は変わりますが、他人の感情の理解力に関する面白い実験結果を一つご紹介したいと思います。

社会心理学者のポーラ・ニーデンタールという人が中心になって行った実験です。

実験の参加者を2つのグループに分けて、それぞれに他人の顔の表情の変化を

観察してもらったそうです。

ただし1つのグループのみ、口の間にえんぴつをくわえて、顔の表情の自由度を減らしてもらったとのこと。

えんぴつをくわえていると、当然顔の表情を動かす事が困難です。

ただし、もちろん目は見えるので、観察することには支障はないはずです。

すると結果は、えんぴつをくわえているグループは、自由に顔を動かすことのできるグループと比較して

他人の顔の表情の変化をうまく読み取ることができなかったそうです。

 

これもとても興味深い結果です。

 

顔を自由に動かせる、ということは当然模倣もできるということで

そのような状態のほうが相手の顔の表情、つまり感情などをよく観察できるという裏づけになりそうです

 

相手の表情を見ながらいちいち真似たりしないのですが、脳の中では自動的に模倣していて

それによって表情の意味を理解しているのではないか、ということが、

ミラーニューロンの研究で少しずつ解明されているようです。

 

ですので、対人コミュニケーションには身体を自由に動かせ状態にあるということ

また身体コントロールスキルを高めることは効果的なのだと思います。

朝起きたとき、顔の体操をするだけでも違いそうですね。