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コミュニケーション・トレーナー&マイム・アーティスト
荒木シゲル

2017.11.07

笑顔のつくり方

この時期、毎週月曜日に2つの学校の講義を掛け持ちしています。

東放学園映画専門学校とデジタルハリウッド大学院。

これがだんだん体力的にきつくなってきました。1日終わるとほんと、カラダがぐったりしてしまいます。まぁそれ以上に充実感もあるので嫌ではないのですが…。

どちらの学校も受講者の半数が留学生です。

東放学園の生徒さんはアニメーター志望の10代後半~20代の比較的若い方々。パントマイムや演技、演出の基礎を紹介する講義を行っています。

デジタルハリウッド大学院の生徒さんは様々なバックグランド、専門をお持ちの社会人で、年齢は20代~50代?「ビジネスプロデューサー」の育成を目的とした講義で、コミュニケーション能力や行動力、発想力を刺激するような講義です。

目的が違うので、内容はそれぞれ違うのですが、似ているワークを行います。例えばステイタスに関するワークなど。「演技」と「コミュニケーション」はある意味同義語なんですよね。私はそう考えます。要するに自分の振る舞いをコントロールすることなので。

人と対面して会話する機会がどんどん減少している現代では、もう国民全員が演劇のトレーニングを受けるべきなんじゃないかと思います。

茂木健一郎さんも基礎訓練の重要性をブログでおっしゃっていました。

 

ところでアメリカのドラマ「ライ・トゥ・ミー」のモデルになったP・エクマンさんの本に書いてあったのですが、人が笑うとき、主に頬や口のまわりの筋肉と目のまわりの筋肉が収縮するそうです。で、頬と口のまわりの筋肉は自分の意志で動かすことができるのですが、目のまわりの筋肉は感情を伴わないと収縮させることができないそうなんです。

だから、楽しくもないときに「人工的」に笑顔を作ろうとするとウソっぽい表情になってしまう訳です。よく「目が笑ってない」と言ったりしますね。

カメラを向けられて笑顔を作るときと、実際に親しい友達に出会ってほほ笑むときとでは、脳で全く違う細胞が働いている、とも別の本で読んだこともあります。

こういうことってよくあることだと思います。でも役者は上手に感情を表現しますよね。(中には下手な人もいますけど。)

それは役者は機械的に自分の顔の筋肉をコントロールして顔の表情を作っている訳ではなくて、うまく自分の中に感情を呼び起こしているからなんです。

悲しい演技をするときには自分が体験した悲しい出来事を思い出す、楽しい演技をするときには楽しかった実体験を思い出す、といういった具合です。

これは役者のトレーニングの初歩中の初歩なのですが、これに慣れてくると、カメラを向けられただけでも「楽しい気持ち」に一瞬のうちになることができます。要するに自分の感情をうまくだますことでリアルな表情を作ることができるわけです。

このテクニックは日常でも使えると思います。

もちろん人をだましたり犯罪に使うのは良くないですが、自分のイメージアップのために、笑顔を作るときには、まずは楽しいことを思い出してみるようにしてみてください。

写真写りもきっと変わりますよ!