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コミュニケーション・トレーナー&マイム・アーティスト
荒木シゲル

2017.07.13

しぐさの秘密

本を出してから、「しぐさ」という言葉がそれまで以上に目に入ってくるようになり、いろんな本を読んでいます。

で…、自分なりに「しぐさ」というものを分類してみました。

 

人の「しぐさ」には、大きく分けて4種類のものがあるんじゃないかと思います。

まず一つ目は、「緊張」「不満」「不安」「悲しみ」といったネガティブな感情がカラダの動きに出てしまうものです。

これのほとんどは「なだめ行動」と言われるもので、いわゆる「無駄な動き」ですね。

会話の最中に鼻をかいたり、首の後ろを触ったり、髪の毛やネックレスやネクタイを触ってしまうような行動。

「なだめ行動」以外にも、自信がないときに手をテーブルの下に隠したり、興味がないときにつま先が相手とは違う方向を向いてしまうようなしぐさがあったありします。

 

二つ目は「うれしいとき」や「積極的な気持ち」などポジティブな感情がカラダの動きに表れるしぐさです。

自信満々に大きい歩幅で歩いたり、強く握手するような行為がこれに含まれます。

 

三つ目は、ポジティブな気持ちの中でも特に相手に「好意」を抱いているとき、つまり恋愛感情が表に出るものです。

これは相手をじっと見たり、思わず相手と同じようなポーズを取ったりといったふるまいなどです。

 

で、最後の四つ目が、自分の権力を誇示するようなしぐさですね。

足を広げて座ったり、両手を後ろに組んだり、ちょっと面白いのは「相手の肩をポンとたたく」なんて行為もこれに含まれます。

 

それでですね、一つ目のネガティブな感情のしぐさは、微妙な感情の違いによって「低いステイタスの行為」と「高いステイタスの行為」に分かれるんです。

相手の言ったことに対して気分を害して、カラダを後に反り返るようなしぐさは「高いステイタス」ですが、緊張で自分のカバンを膝に置いて座るようなしぐさは「低いステイタス」の行為です。ネガティブな気持ちが強く出るか、弱く出るか、の違いですかね。

 

二つ目のうれしいときのしぐさは気持ちが安定しているせいか「高いステイタス」の行為がほとんどです。「自信」や「喜び」は高いステイタスの感情、ということなんですよね。

 

ただ、面白いのが三つ目の恋愛感情に関係するしぐさは、「低いステイタス」か「相手のステイタスを高める」行為なんですよね。例えば「自分のパーソナルスペースを小さくする(相手と近づく)」とか「同調する」とか「秘密を開示する」といった行為です。

これってどれもビジネスシーンでは当てはまらない行動と言えるかもしれません。

ビジネスの反対語は恋愛??どうなんでしょう。

「愛は自分のステイタスを下げて、相手を上げること!」

ということで一つよろしくお願いします。

 

で4つ目の権力を誇示するしぐさは、当然どれも「高いステイタス」の行為です。

こうやってまとめてみると、なんだか面白くないですか。

 

ただし…

ここで紹介したのは、「行動心理学」と呼ばれる研究に基づいている内容なんですが、大前提として「しぐさは絶対ではない」というお約束があります。

さまざまな実験によって「こういう感情を抱いている人はこのようなふるまいをするらしい」ということを統計的に求めているんですが、100%それが正しいとは限らないわけです。

あくまで参考程度に、というより、自分のふるまい方のヒントとして活かすのはありだと思います。

 

という訳で、ちょっと「しぐさの技術」の補足的な内容をお送り致しました。

まだお読みになっていない方は、是非こちらからご購入を!

「伝わり方が劇的に変わる!しぐさの技術」(同文舘出版)