先日、即興劇のイベントに出演してきました。
俳優の神木優さんがプロデュースする「ナリユキ」という舞台です。
「ムチャ振りイベント」と銘打っているだけあって、
出演者は二人一組で10分程度の即興劇を披露するのですが、
設定や共演者、必ず使用しなければいけない小道具などをその場で観客が決めるルールです。
決まったら、もちろん打ち合わせも何もなく、
即「よーいスタート!」となります。
すべてが出たとこ勝負!
写真はその時の様子です。
この回の共演はネットアイドルとしても活躍されている、女優の水野絵里奈さん。
これはなんというか、大げさに言うと人生が変わる経験でした。
「しぐさの技術」に書いている「ステイタス」も即興演技のメソッドですし、
僕自身、即興(インプロ)そのものは経験がないわけではないんです。
ただ、自分が経験してきた即興は
役者がその場で「面白い場面」を演じることが目的でなかったりします。
(大抵の場合、結果的に面白くなるのですが。)
そうではなくて、「このキャラクターとあのキャラクターが
この状況で顔を合わせたらどのような事がおきるのか?」という感じの
実験的な意味合いが大きいんです。
だから役者は自分の演じるキャラクターなり、振る舞いのルールにだけ
集中していればいい感じなんですね。
でも今回は、もちろんお金を頂いている公演ですし、「お話」としてある程度の区切りが必要になります。
相手の意図を組みつつ、使わなければいけない小道具やセリフのことも考えつつ
飽きない展開を作っていく必要があります。
神木さんいわく、10分の間に「事件」を起こさないと、
ただ先に進まない会話のみで終わってしまいます。
とはいえ、自分のイメージする流れにもっていこうとしても
共演者がそれに乗ってこなければ思ったようにスートリーは展開しません。
あくまで共同作業なんです。共演者とは運命共同体のようなものですね。
リハーサルを含めて3回の即興を経験しましたが、
終わってみると高層ビルの綱渡りを終えたような心地になりました。
すごいスリルを味わうのですが、同時に何か自分の中の
「コミュニケーション」の瞬発力みたいなものが強くなったように感じます。
「ステイタスコントロール」がコミュニケーションや表現力の向上に役立つとすれば
「ナリユキ」の即興は問題解決能力や状況判断、協調性に効果的な感じがあります。
今度セミナーとかでやってみようかな。
それにしても即興、奥が深いです。
ちなみにその神木さん、桃太郎をテーマとした一人舞台をこれまで数多く
巡業されていて、5月には渋谷のマウントレーニア・ホール、6月にはアメリ公演も
予定されているとか。
詳しくはコチラ→神木優ソロアクト2017
えーと、私のほうは、5月なのですが
CGクリエイターを対象としたパントマイムのワークショップを開催します。
平日の夜に3時間、今回はインプロやステイタスのワークではなく
もくもくとカラダを動かしてパントマイムを練習する、かなりストイックな内容になる予定です。
詳細はコチラ→CGクリエイターのためのパントマイムワークショップ
一応「クリエイター対象」となっていますが、ご興味のある方はふるってご参加ください!