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荒木シゲル

2021.04.07NEW

表情とカラダのポーズ~その② 混合表情について

表情とカラダのポーズについて、ほぼ主観のみで書いている第2回目です!

前回、「万国共通の7つの表情」とそれに見合ったカラダのポーズについて考えてみました。個人的な感覚ではありますが、特定の感情の表情(顔)に対して、

  • 筋肉のテンション
  • その感情の持つ機能(次にどんな行動をおこしたいのか)

 

といったことを考慮してカラダのポーズを作るということが、全身が自然に見えるポイントのようです。

でもはたして本当にそうなんでしょうか??

今回はさらに一歩踏み込んで、表情とカラダのコンビネーションをあえて変えて考えてみます。特定の感情を示す表情(顔)に対して、前回考えたのとは違う感情のカラダのポーズを合わせたらどんな印象になるのか?興味が湧いてきたのです。

7つの表情全てを試すのは大変そうなので、今回は幸福の表情に別の感情のカラダのポーズを合わして想像してみたいと思います。

通常であれば「幸福」の表情に似合うのは比較的リラックスして胸を張っているようなポーズです。

 

では、想像してみてください。

「幸福」の表情に対しカラダが「恐怖」だったら?

【幸福】+【恐怖】

 

これでは違和感があります。まず、顔がリラックスしているのにカラダは力が入ってこわばっています。

強引にこのカラダのポーズにマッチさせるとしたら、「幸福」と「恐怖」の混合表情であれば違和感なさそうです。混合表情とは要するに2つの感情の要素を混ぜ合わせた表情です。

「恐怖」の表情に「幸福」を混ぜてみると…

 +  =・・・

ジャーン!こんな感じでしょうか。元々の「恐怖」の表情に口角と頬を持ち上げた感じの表情です。

(あ、髪型は気にしないでくださいね…前回おでこが隠れていたので、今回は前髪を上げて撮影しました。)

「恐怖」のカラダと並べてみるとこんな感じ。

 

この表情であれば、カラダが「恐怖」でも違和感が無さそうです。

シリアスな場面というより、コミカルに「ヤバイよヤバイよ…」なんて言ってそうです。周りにはよだれを垂らした沢山のモンスターに囲まれている?とか、いろいろとイメージネーションが刺激されます。

次は「驚き」で考えてみます。

【幸福】+【驚き】

 

顔が「幸福」でカラダが「驚き」だったら?

これもやはり違和感がありますね。表情がリラックスしているのに、カラダはビクッとしています。びっくりした瞬間に顔でリラックスした笑顔を作るのは不可能だと思います。

そこでまた混合表情を作ってみます。「驚き」の表情に「幸福」を混ぜてみると…

 +  =・・・

ジャーン!「驚き」に口角と頬を上げて「幸福」を混ぜてみると、すごく喜んでいる人のように見えますね。カラダと合わせてみると…

 

これはアリですね。ドアを開けたら急に電気がついて、友だちが大勢集まっていた…みたいな状況とか、風船を膨らませるようなゲームを笑顔で見ていて、それが急に破裂したとか?

楽しいことが急に起きたような状況が目に浮かびます。次は「怒り」です。

【幸福】+【怒り】

 

これは見ようによっては違和感がないかも?ただ、やはり筋肉のテンションは違うのが気になります。表情がリラックスしているのに対し、カラダはすごく力が入って力んでいます。もう少しまぶたに力を入れて強めの表情にしてあげたら、「がんばります!」と気合いをいれている感じに見えます。例えば先ほどの「驚き」と「幸福」の混合表情のような。「幸福」の表情でカラダが「怒り」だと、「自信」とか「気合い」といった印象になるのかもしれません。

「幸福」+「怒り」=「気合い」

個人的にはとてもしっくりきます。

せっかくなので、これも混合表情を考えてみます。

 +  =・・・

ジャーン!

この表情は怖いですね。実際に自分でこの表情をしたところ、映画「シャイニング」のジャック・ニコルソン、またはテクノミュージシャンのエイフェックス・ツインになったような気持ちになりました。「怒り」のポーズと合わせると…

 

とても好戦的というか、ある意味敵意をむき出しにしてケンカする気満々な印象になります。

ただ「怒り」だけの表情より怖さが増しますね。キャラクター性が生まれるというか。

表情とカラダのコンビネーションを変えることで、違った感情やキャラクアーが生まれやすくなる気がします。

次は「悲しみ」です。

【幸福】+【悲しみ】

 

「幸福」の表情に「悲しみ」のカラダ。

これは違和感がありますね。顔もカラダもリラックスしているのですが、二つ合わせたコンビネーションとしては不自然です。これも表情をミックスさせるとどうでしょうか。

 +  =・・・

なんとも悲壮感漂う表情になりました。今にも泣きだしそうな顔に見えます。我ながら可哀そう…

カラダと合わせてみると

 

すごくトホホな感じが強調されますね。「全てを失ってしまったので笑うしかない…」みたいな感じでしょうか。

2つの表情のミックスの具合にもよるのですが、もう少し「幸福」の要素が強ければ、もっとコミカルな印象が強くなると思います。「競馬で負けてスッカラカンだよぉ」みたいな感じ。

はい次!「嫌悪」で。

【幸福】+【嫌悪」

 

「幸福」の表情に「嫌悪」のカラダ。

これは若干、アリな感じもします。ちょっとシャイな人が笑っているような感じでしょうか。

「幸福」+「嫌悪」=「シャイ」?

なかなか面白いですね。

せっかくなので混合表情も作ってみます。

 +  =・・・

なんとも言えない表情ですが、たまにこういう表情の人っていますよね。嫌なことを少しマイルドに断るような時だったり、自虐的なエピソードを話しているとか。カラダと合わせてみると…

 

こう見るとすごく嫌がっている人、つまり「嫌悪」が増幅したようにも見えます。

そういえば、「幸福」の表情に含まれる「頬を上げる」動きなのですが、「感情を強調する」役割があるのだそうです。「驚き」とか「恐怖」との混合でも感情が強くなったように見えたのは、「幸福」とミックスしたからというより、「頬があがった」ことでそう見えたのかもしれません。

「嫌悪」と「幸福」という一見相反する感情同士を混ぜても、決して「嫌悪」が弱くなるのではなく、より嫌な感じが強調されたように見えるのは興味深いです。や、どうだろう?「嫌悪」がマイルドな印象になったかな?皆さんはどう思いますか?

最後は「軽蔑」で考えてみます。

【幸福】+【軽蔑】

 

顔は「幸福」でカラダは「軽蔑」。

これはあまり違和感が無いように思います。「幸福である」といことは、キモチが安定していて自分に自信がある状態なので、相手を見下す感情である「軽蔑」とは相性がいいのかもしれません。「受験生が志望校に合格した」とか「友だちとゲームして勝った」といった状況なら自然に見えます。

せっかくなので混合表情も作ってみます。

 +  =・・・

良い表情ですねぇ。すごい嫌な奴の表情です。相手をあざ笑ってる感じが半端ない。

カラダと合わせてみると…

 

悪者な感じがして良いですね。主人公が見ている前で故郷の村を焼き払ったときとか、悪人が人が苦しむ様子を見ているときのような、冷酷な印象です。

【まとめ】

という訳で「幸福」の表情に「幸福」以外の感情のカラダのポーズを合わせてみました。

意外とそのままだと不自然な印象になるコンビネーションが多かったですね。特に筋肉のテンションが違う組み合わせは違和感がありました。

ただ、

「幸福」+「怒り」=「気合い」

「幸福」+「嫌悪」=「シャイ」

みたいに、「感情のカクテル」が生まれるときもあって、なかなか興味深いです。

また混合表情ってイマジネーションを刺激されるというか、キャラクターや状況に深みが出るような感じがします。

「万国共通の7つの表情」はちょうど音楽のコードみたいなものなのかもしれません。CとかFとかそのままでも聞こえはいいのですが、別のコードの音が混じることで、ジャズっぽい感じとか音色に深みが生まれるような感覚と似ています。

それから、実際に自分で混合表情を作ってみると、気持ちに少なからず変化が生まれました。

表情を作ることで自分にその感情が湧いてくるのを「フィードバック理論」というらしいのですが、まさにそれを実感しました。

今度、また違う感情での混合表情でも試してみたいと思います!

最後になりましたが…

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