先日、電話応対業務に関わる方たちを対象にワークショップをさせて頂きました。「電話応対業務」とは、いわゆるコールセンターやカスタマーサービスのようなお仕事ですね。
これはちょっと変わった機会です。
これまで私は、クリエイターやロボットの研究者、ビジネスマンなど、さまざまな業界の方にセミナーやワークショップを実施してきましたが、どなたもなんらかの形で身体表現に興味のある方たちでした。クリエイターの方なら「いきいきとしたキャラクターの動きやしぐさ」に興味があり、ロボットの研究者であれば「人らしい動き」、ビジネスマンなら「コミュニケーション」、といった具合に。
何といっても私の得意分野は「身体表現」や「非言語コミュニケーション」ですから!
でも…
電話応対業務といったら身体表現とは無関係に思えます。なのですが、今回のご依頼は「インプロ(即興演技)」の体験会をしてほしい、とのことだったのです。「インプロ」はそれほど大々的に宣伝はしてませんが、書籍やワークショップで紹介している「ステイタス」もインプロの演出法ですし、専門の一つなんです。
ご依頼主は
“電話応対のお仕事は単にマニュアル通りの事を伝えているだけではダメで、状況の応じて臨機応変な対応力が求められる、そのために「インプロ」が役立つのではないか?”
と考えられたようでした。つまり会話での対応力や創造性を高めたい、という訳です。
そう言われると確かにお役に立てるかもしれません。そこで普段行うワークの中から「会話」に深く関係するようなワークをご紹介することにしました。
今回のような機会は私にとってもご依頼主にとっても初めての機会でしたので、私はインプロのワークが創造性や発想力に効果があるのか、ということを何か目に見える形で示したいと考えました。
そこで「発想力」の調査を行うことにしたのです。
でも人の発想力ってどのようにしたら測ることができるでしょうか。
皆さんならどうしますか?
ググっても周囲に相談してもこれといった答えを見つけられず、最終的に私が考えたのは、とてもシンプルなものでした。
それはワークショップの前と後に2問の問に答えてもらう、というものです。
1問目は、ある単語から連想する言葉を1分間で出来るだけ沢山あげてもらう、というもの。
例えばお題が「みかん」であれば
“すっぱい、こたつ、お正月、愛媛、ジュース…”
といった具合に。
で2問目は1分間である単語から始めて、前の言葉から連想する言葉をつなげてゆく、というものです。
例えばお題が「ネコ」だったら
“かわいい→赤ちゃん→子供→公園→滑り台→坂道→…”
といった具合です。
この2問をインプロのワークショップの前と後に行って、挙げられた言葉の数を比較する、というものです。
それも1回目と2回目で同じ単語では正確に測れないと思い、変えることにしました。
さらにその単語によって連想しやすい、しづらいもあると考え、人によって1回目の単語が別の人の2回目のお題になるようにばらけさせました。
結果、3種類の用紙を作って受講者に均等に配布することにしました。
さてその結果はいかに…(続く)