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コミュニケーション・トレーナー&マイム・アーティスト
荒木シゲル

2012.07.10

お茶を入れるパントマイムの授業で。

先週末、神奈川県の大学の情報学部の皆さんにパントマイムを教えていたときのことです。

そのクラスはゲームクリエイターを目指す選抜クラスで、アニメーション製作のスキルアップのためカリキュラムに私のパントマイムが組み込まれています。

数年前からやらせてもらっているんですが、その日は丁度初めて基礎的なパントマイムを教えていました。

手順を説明した後でお茶を入れるパントマイムを友達同士でやってもらいました。

4人組を作り、友達3人が1人の家に遊びに来たという設定で日本茶を入れます。

これは元々自分の通った学校(イギリス)で“紅茶を入れる”一連の流れを最初にならったので、それを日本版にアレンジしたものですが、10年以上同じような内容をやっていると時代の流れみたいなものを感じることがあります。

そもそも最近日本茶を入れる手順をよく知らない学生が多いのです。

特に茶葉を保存する入れ物↓みたいなやつ

がピンとこないらしい。

“外蓋を取って内蓋を取って木のスプーンをお茶をすくって…”などといろいろと説明しなければ進めることができません。

大学生ってそんなもんでしょうかね。

まぁそれはいいとして、

待っている人は茶を入れてくれている友達を凝視するのではなく、友達の家に遊びに来たような感じでおしゃべりをしたりくつろいだりしましょうといつも伝えます。

すると、“昨日サッカー観た?”とか“宿題終わった?”などと会話をするようになり、しばらくするともてなす側の生徒さんが“お茶入れたけど飲む?”という感じではいってきて、日常的な場面がなんとなく再現されます。

ところが先週、今を象徴するようなちょっと驚く光景を目にしました。

同じようにおしゃべりするように伝えると、中の一組でお茶を待っている3人が3人ともスマホをいじっているマイムを始めて会話を一切していなかったのです。

こういう光景は5年前、いや去年一昨年でもありませんでした。テレビゲームを始めるみたいのはありましたけどね。

会話が一切無かったのは一組だけでしたが、会話に加わらないでスマホをいじっている人がいる組は他にもありました。

軽くショックでしたね。会話を面倒だと感じているんだとしたらちょっと怖いです。

自分で使う分には便利だけど、スマホって結構厄介だな、と最近真剣に考えたりしますが皆さんいかがでしょう。