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コミュニケーション・トレーナー&マイム・アーティスト
荒木シゲル

2013.04.23

創造力と退屈な時間?

最近ネットで気になる記事を2件読みました。

まずこちらはFacebookで知り合いが紹介していたニュースです。

創造力を育てるには「一人ぼっちの退屈な時間が重要」とのこと。私も子を持つ親として、子供の創造力の育成には興味があります。別にクリエイティブな職業に就かなくても、ピンチをチャンスを見いだせたり、何をしたら相手が喜んでくれるのか、と考えるのはやはり創造力ですから、豊かにはぐくんでもらいたいと常に思います。

それには確かに何もやることのない、退屈な時間が大事なのかもしれません。

自分の子供の頃を思い出しても、退屈すると何かしら“ごっこ”をしたりして、遊びを考えていたように思います。

でも現在、ケーブルTVでアニメは24時間やってるしスマホやDSなどもあるし、それらを一日30分とか1時間と制限させるのに苦労します。こんな世の中で創造性を高めることなんかできるのかなぁ、なんて考えてしまいます。

時代のせいもあるかもしれないけど、結果的に大人自身に創造力が欠如している、ということなのかもしれないです。

昔は電車の中でギャーギャー泣いたり騒いだりしている子供がたくさんいましたが、最近とても少なくなったと感じます。

昨日も3歳くらいのお子さんをベビーカーに乗せたご夫婦を電車の中でみました。あまり静かなので子供は寝ているのかと思ったら、スマホでアニメを見ていました。自分も普通に同じことをしてしまいそうですが、子供の創造力をはぐくむにはあまり良くない行為なのかもしれないですね。どうなんでしょうか。正直わかりません。

で、別の記事を紹介します。こちらは昔からの知り合いで理化学研究所で脳の研究をしている平瀬さんのチームが最近発表した研究結果です。

ラットを使った研究ですが、要約すると「思春期に刺激の多い環境で育つと、学習能力が高まる」というものです。

この二つの記事は一見矛盾したことを言っているようにも受け取れるのが、個人的には面白いと思いました。

ただ想像するに、最初の記事の「退屈な時間」というのは「周囲に目を向ける時間、周囲の刺激を感じる時間」ということなんだと思います。

「退屈な時間」を勘違いして狭い部屋に子供を閉じ込めているだけでは拷問ですし、思春期の必要な刺激は決してゲームやテレビに溺れてしまうということでは無いんでしょう。

思い出したのが、徳島大学の荒木秀夫先生に小学生向けのコーディネーショントレーニングの講習を受けた時のことです。、体育館に跳び箱やマット、平均台などを配置して、順番に運動をさせる時、跳び箱のことを説明するときに、「あそこにある”大きな岩”を飛び越えて」とか、平均台では「川のワニに気を付けながらそこの橋を渡り」などと説明すると良いと言われたのです。確かにそのように説明すると子供たちの食いつきが変わりました。

とにかく子供の創造力を高めるには、周囲の大人のセンスがとても重要なのは確かです。退屈な状況も刺激的と考えることができるのは、これまた創造力なんでしょう。創造力って世代を超えて受け継いでいくものなんでしょうか。

話はかなり飛びますが、ジャクソン5、マイケルやジャネットを育てたジョセフ・ジャクソンは創造力を育てる親としては最高峰、キングオブペアレンツと呼ぶにふさわしいのかもしれません。彼の教育法、ちょっと興味があります。マイケルの幼少時代の暗い過去はたまに話題になりますが、厳しいだけでは子供の才能は開花するわけがない、と考える今日このごろです。