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コミュニケーション・トレーナー&マイム・アーティスト
荒木シゲル

2013.03.25

小学校でのパントマイム教室

先日娘の通う小学校でパントマイム教室を開催させてもらいました。

最近の小学校では、PTAの皆さんが休みの土曜日を利用していろいろなイベントを催しているようです。ただどこでも慢性的なネタギレ状態で、素性?を明らかにしたところ私にもたまに声がかかるようになりました。こちらとしては子供に教えるという貴重な経験をさせてもらえるので、できるだけ引き受けるようにしています。

昨年も一度開催し好評だったので今年は3回に渡って行いました。

(諸事情により写真等はお見せできないのが残念です。)

参加者は1年生から5年生までの20名程度。

基本パントマイム教室なのですが、教える対象が変わると、受講者の目的が変わります。

役者さんやパフォーマーなど、本来の意味でのパントマイムを習いたい人を対象としたときには、実際の演技力や身体の表現力を高めるのが目的。そういう時は心構えなんかも含めて結構きびしく教えます。

CGクリエイターを対象に教える時には、CGアニメーション表現のスキルアップが目的なので、動きのメカニズムを理解することや、グループワークなどで創造的な発想を促すように心がけます。

コミュニケーション能力向上などを目的にビジネスマンを対象に教えるときは、また違った着地点を心がけます。

身体表現や実際の演技のスキルは重要なのですが、彼らは人間関係の向上のために参加しています。良い関係を気築く為の“セルフコントロール能力”を高める意味合いで演技を体験してもらったり、日常会話に応用できそうなインプロのエクササイズを中心に行います。

演技やパントマイムなど身体の表現力は高いにこしたことはないのですが、あまりそれに固執しすぎないように心がけます。参加者の目的とワークの内容が合致した時には、何とも言えないミラクルな瞬間を体験することができます。

で、小学校でのパントマイム教室。今回はそろばん教室や水泳教室に通うほど真剣ではないにせよ、そこそこ楽しくパントマイムを習得できるように教えなければいけません。ただ、PTA主催のイベントですからきびしく叱ったり注意するのもちょっと違う訳です。

とにかく彼らのハートをガシっとつかんで興味を持たせて、楽しいからやりたい!と思わなければいけません。自分にとってはかなりのチャレンジでした。

結果まぁまぁ良い教室になったと思います。

大人に比べて子供は習得が早い!というのが主な感想です。中には難ありな子供もいて、集中できない子もいましたが、大抵ほめたり得意なことを見つけてあげるとちゃんと参加してくれました。

同じワークでも大学生や社会人と反応の違いうときがあり、興味深かったです。

例えば“グループ作り”というゲームがあります。

部屋の中を参加者全員に歩き回ってもらい、私が“3!”とか“5!”など数字を指定したら即座にその人数のグループを作るというものです。反応能力や空間を見極めて行動する能力を高めるゲームですが、大人を対象にするときには参加者の気質を見極める必要があります。参加者同士打ち解けているととても盛り上がるのですが、白けた雰囲気になってしまうときもあるからです。そのグループからあぶれてしまうとゲームからはずれるルールなので、瞬時に一緒にいる相手を裏切って他のグループに加わるなどしなければいけません。この時、場が“子供っぽい”と感じてしまったり、お互いに遠慮しあってしまうと盛り上がらないのです。そういう意味で私にとってはイチかバチかのエクササイズです。

これを小学校でもやってみました。どんなに盛り上がるのか楽しみだったのですが、結果、低学年と高学年で反応が分かれました。

低学年はとても盛り上がり、ゲームに生き残ろうと必死なのですが、高学年は「そんなゲームは疲れるし興味な~い。」みたいな感じになりました。

こういった単純なゲームは、“簡単すぎる”とか習得の意義が見受けられないと感じた時に参加するモチベーションが下がってしまうのだと思います。高学年には何か別の目的や難しいルールなどを加えてあげたほうが良かったかもしれません。

ちょっと長くなってしまったのでそろそろ終わりにしますが、いろいろと勉強になった3日間でした。